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N1 彷彿 ほうふつ
ありありと目に浮かぶ様子、また、よく似ていてある対象を思い起こさせる様子。「彷彿させる」「彷彿たる思い」のように使う硬い語で、特に「〜を彷彿させる」の形で多用される。過去の人物・出来事・風景などが、現在の何かを通じて鮮明に蘇る感覚を表し、文学・批評の文脈で頻出する。
N1 方便 ほうべん
目的を達するための、その場かぎりの便宜的な手段。本来は仏教用語で、人々を真理に導くために段階に応じて用いる教え方を指したが、現在は「うそも方便」の慣用句に代表されるように、本筋でないが目的のためにやむを得ず使う手段の意で用いる。「方便として」「方便にすぎない」のように、本意ではない手段であることを示す文脈で使う。
N1 放免 ほうめん
拘束していた者を解き放ち、自由にすること。「容疑者を放免する」「無罪放免」のように使う硬い語。逮捕・拘留などの拘束状態から解放する公的な行為を指し、法律・刑事の文脈で多用される。比喩的に「ようやく仕事から放免された」のように、義務や負担からの解放を表す用法もある。
N3 訪問 ほうもん
visit。人の家や場所を訪ねること。「家庭訪問」。
N1 包容 ほうよう
相手の欠点や過ちを含めて、広い心で受け入れること。「包容力のある人」「包容して受け入れる」のように使う。寛大さ・度量の大きさを表し、人物評価で肯定的に用いられる硬い語。「包」も「容」も「包み込む・受け入れる」意で、二字を重ねて意味を強める熟語。ビジネス・人間関係を論じる文脈で多用される。
N1 崩落 ほうらく
土砂・岩・建物の一部などが崩れて落ちること。「土砂崩落」「天井が崩落する」「橋が崩落する」のように使う。「崩壊」が成り立たなくなる状態全般を指すのに対し、「崩落」は物理的に下方へ落下する過程に焦点がある。比喩的に「相場の崩落」のように、急激な下落を表す経済用法もある。
N1 暴落 ぼうらく
株価・物価・相場などが、短期間に大幅に下落すること。「株価が暴落する」「不動産価格の暴落」のように使う。経済・金融文脈で頻出する硬い語で、対義語は「暴騰」。単なる「値下がり」と異なり、相場の急激かつ大規模な崩れを表し、市場の混乱や経済危機と結びつけて語られることが多い。
N1 飽和 ほうわ
これ以上は受け入れる余地がないほど、満ち足りた状態。「市場が飽和する」「飽和状態」「飽和点に達する」のように使う。元は化学用語で、液体が物質を最大限まで溶かし込んだ状態を指したが、そこから転じて、市場・需要・能力・情報量などが限界に達した状況を比喩的に表す。経済・社会の文脈で多用される硬い語。
N1 墓穴 ぼけつ
死者を埋葬するための穴。ただし現代日本語では、ほぼ「墓穴を掘る」の慣用句として用い、自分の不用意な言動が原因で自らを窮地に追い込むことを表す。「不用意な発言で墓穴を掘る」「弁解しようとして墓穴を掘った」のように使う。字義通りの意味で使われる場面は限られ、比喩用法が日常会話・報道で圧倒的に多い。
N3 保険 ほけん
insurance。病気や事故などに備えてお金を出し合い、困ったときに支払いを受けるしくみ。「保険に入る」。
N3 募集 ぼしゅう
人や作品などを広く集めること。「アルバイトを募集する」。
N1 保身 ほしん
責任や危険から逃れて、自分の地位・立場・身の安全を守ろうとすること。「保身を図る」「保身に走る」「保身的な態度」のように使う。組織内で本来取るべき責任を回避し、自分だけ安全な立場を確保しようとする態度を批判的に述べる文脈で多用される。政治・企業の不祥事を論じる場面で頻出する硬い語。
N3 干す ほす
日光や風に当てて、水分を取る。「洗濯物を干す」。
N1 母性 ぼせい
母親としての性質や、子を慈しみ守ろうとする本能的な傾向。「母性愛」「母性本能」「母性が芽生える」のように使う。心理学・社会学の文脈でも用いる語だが、近年は女性に固有のものとする捉え方への批判もあり、用法は変化しつつある。対概念に「父性」がある。
N3 保存 ほぞん
そのままの状態で取っておくこと。「食品を保存する」。コンピューターのデータについても使う(「ファイルを保存する」)。
N1 母胎 ぼたい
母親の胎内、子宮のこと。そこから転じて、ある物事を生み出す元となる組織・基盤を比喩的に指す。「母胎から離れる」のような物理的用法と、「文化の母胎」「会社の母胎となった研究所」のような比喩用法の両方で使う硬い語。比喩用法では、現在の発展した姿の起源・出発点となった組織や環境を指すことが多い。
N1 没収 ぼっしゅう
法律や規則に基づき、所有物を権力によって強制的に取り上げること。「財産を没収する」「違反者から免許を没収する」「カードを没収される」のように使う。私的な「取り上げ」ではなく、公的な権限の行使を伴う点が特徴で、法律・スポーツ・税関などの文脈で用いる硬い語。
N3 ほっと ほっと
安心して、緊張がゆるむようす。「無事と聞いてほっとした」。
N1 没落 ぼつらく
かつて栄えていた家・国・組織が、地位・財産・勢力を失い、衰え落ちぶれること。「名家が没落する」「没落貴族」のように使う硬い語。一時の不調ではなく、社会的地位を失う決定的な凋落を表し、しばしば不可逆的な変化を含意する。歴史記述や文学作品で多用される。
N3 歩道 ほどう
sidewalk。人が歩くための道。「横断歩道」。反対の意味の語は「車道」。
N3 ほね
bone。体を支えるかたい部分。「骨が折れる」は、けがの意味のほか、手間がかかって大変だという意味の言い方にもなる。
N3 掘る ほる
dig。地面などに穴をあける。土の中の物を取り出す。「穴を掘る」「いもを掘る」。
N1 本意 ほんい
心の底から望んでいる、本当の意図や気持ち。「本意ではない」「本意を遂げる」のように使う硬い語。表面的な言動や妥協した結果ではない、内心の真の願いを表す。「本意ではないが」の形で、自分の希望と違う結論を受け入れる際の前置きとして多用される。「本心」が感情面を、「本意」が意志・意図面を指す傾向がある。
N1 翻意 ほんい
一度決めた考えや決心を改めること。「翻意を促す」「翻意する」のように使う。辞職・引退・離脱・撤退などを表明した人物に対して、その決断を取り下げるよう働きかける文脈で多く用いる硬い語。日常会話ではほぼ用いられず、報道・公式声明の文体に偏る。
N3 本気 ほんき
真剣な気持ち。冗談ではないこと。「本気で怒る」。
N3 本人 ほんにん
その人自身。「本人に確認する」。
N1 本末転倒 ほんまつてんとう
物事の本質的な部分と些末な部分を取り違えること。手段が目的にすり替わったり、重要度の優先順位が逆になったりした状態を批判的に述べる四字熟語。「本末転倒な議論」「健康のためのダイエットで体を壊しては本末転倒だ」のように使う。「本」は根本・本質、「末」は枝葉・末端の意で、その関係が「転倒」していることを表す。
N1 本望 ほんもう
かねてから望み続けてきたことが叶い、それで満足だという気持ち。「本望を遂げる」「これで本望だ」のように使う。長年の願いや覚悟した目的が達成された時の充足感を表す硬い語で、しばしば命を懸けるほどの大きな望みについて用いる。「死んでも本望」のように、犠牲を厭わない覚悟を示す慣用的な表現もある。
N3 本物 ほんもの
にせ物ではない、本当の物。「本物のダイヤ」。対義語は「にせ物」。
N2, N3 ぼんやり ぼんやり
物のかたちや記憶などがはっきりしないようす。「遠くの山がぼんやり見える」。また、何も考えず、注意がどこにも向いていないようす。「授業中にぼんやりする」「ぼんやりしていて駅を乗り過ごした」。
N1 凡庸 ぼんよう
特に優れた点もなく、ありふれていて目立たないこと。「凡庸な作品」「凡庸な人物」のように使う。才能・個性・出来栄えに見るべき点がない様子を、評価する側の立場から述べる硬いナ形容詞。単に「普通」と言うより否定的・批判的な含みが強く、批評・評論の文体で多用される。対義語は「非凡」。
N1 翻弄 ほんろう
自分の意思に関わりなく、他の力にもてあそばれるように振り回されること。「波に翻弄される」「運命に翻弄される」「相手の戦術に翻弄される」のように、ほぼ受身形で使うのが普通。自然の力、運命、強者の意向、感情など、抗いがたい大きな力に左右される場面を表す文章語。
N3 迷子 まいご
道や親とはぐれて、どこにいるかわからなくなった子ども。「迷子になる」。「まいご」は特別な読み方。
N3 任せる まかせる
entrust。仕事や判断を人にやってもらう。「仕事を任せる」。
N1 紛れる まぎれる
他のものに混ざって区別がつかなくなること。「人混みに紛れる」「闇に紛れる」のように、目立たない状態になることを指すのが基本義。そこから派生して、「気が紛れる」「忙しさに紛れて忘れる」のように、気持ちや意識が別のことに向いて、本来感じていた感情や事柄から離れる意でも使う。後者は「気晴らし」に近いニュアンスで使われ、嫌な気分や悲しみが他の活動によって和らぐ場面で頻出する。
N3 巻く まく
くるくると回して包む、または丸める。「マフラーを巻く」「ねじを巻く」。
N3 まご
grandchild。自分の子どもの子ども。
N3 混ざる まざる
違うものが一緒になる。「絵の具が混ざる」。ひとりでに一緒になるのが「混ざる」、人が一緒にするのが「混ぜる」で、「絵の具が混ざる」に対して「絵の具を混ぜる」のように使い分ける。人の集まりに入る意味では「交ざる」とも書く。
N1 交える まじえる
異なる要素や人を中に加え混ぜること。「交」は本来「互いに行き来する」意で、別のものを一つの場に持ち込んで混在させる動作を表す。「冗談を交える」「私情を交えない」「言葉を交える」「老若男女を交えて」のように、話・感情・言葉・人などを対象に取る。「言葉を交える」は「話を交わす」に近く、「砲火を交える」は「戦いを交わす」に近い慣用的な用法。「交える」は人が意図して何かを混ぜ加えるときに使い、「交わる」は自ずから接して関わり合う状態を表す。
N1 交わる まじわる
別のものが互いに混ざり合うこと。また、人と人が付き合うこと。「線が交わる」「川と川が交わる」のように物理的に重なる・接する意と、「友と交わる」「他人と交わる」のように人と関係を持つ意がある。「交える」は人が意図して何かを混ぜ加えるときに使い、「交わる」は自ずから接して関わり合う状態を表す。書き言葉的でやや硬い語で、人間関係や幾何学的な交差など、幅広い文脈で用いられる。
N3, N5 まずい まずい
bad (taste)。あじがよくないこと。はんたいは「おいしい」。
N2, N3 貧しい まずしい
poor。お金や物が少なくて、生活が苦しい。「貧しい家庭」。内容が乏しい意味でも使う(「貧しい発想」)。対義語は「豊か」。
N3 混ぜる まぜる
違うものを一緒にする。かき回して均一にする。「卵と砂糖を混ぜる」。人が一緒にするのが「混ぜる」、ひとりでに一緒になるのが「混ざる」で、「絵の具を混ぜる」に対して「絵の具が混ざる」のように使い分ける。
N3, N5 また また
again。おなじことがもういちどおこるようす。「また来てください」「またあした」。にたことばの「まだ」(おわっていないようす)とはべつのことば。
N1 またがる またがる
足を両側に開いて何かの上に乗ること。「股(また)」を語源とし、両足を分けてものを跨いだ状態にする動作を表す。「馬にまたがる」「自転車にまたがる」のように物理的な動作を表す用法と、「両県にまたがる山脈」「複数の分野にまたがる研究」「三日間にまたがる会議」のように、複数の領域・地域・時期に及ぶ意で使う比喩的な用法がある。後者は範囲が一つの枠に収まらず、複数にわたって広がっていることを表す。
N1 末期 まっき
ある時代や物事の、終わりに近い時期のこと。「末」は終わり、「期」は時期の意。「江戸時代末期」「平安末期」「末期癌」「末期的状況」のように、ある区分の最終段階を指す。歴史・病状・社会情勢など対象は幅広く、書き言葉的な硬い語。なお同じ漢字を「まつご」と読むと「臨終、死に際」の意になり、「末期の水」「末期の言葉」のように使う。文脈によって読みと意味が分かれる点に注意。
N1 真っ向 まっこう
正面のこと。「真っ」は強調の接頭辞、「向」は向き・方向の意で、合わせて「真正面」を表す。多くは「真っ向から」の形で副詞的に使い、何かに正面から向き合う・対立する様子を表す。「真っ向から反対する」「真っ向から否定する」「真っ向勝負」「真っ向対立」のように、迂回せず正面から事に当たる態度を表す文脈で用いる。回避や妥協を排して直接対峙するニュアンスを含む。
N2, N3 全く まったく
完全に。「全く同じだ」。否定と使うと「少しも〜ない」の意味になる(「全く知らない」)。
N1 真っ只中 まっただなか
物事のちょうど中央や、最も激しい状況のさなかのこと。「真っ」は強調の接頭辞、「只中」は本来「ただの中」、つまり物事の中心そのものを指す語。「議論の真っ只中」「嵐の真っ只中」「戦乱の真っ只中」のように、空間的な中心(群衆の中央など)にも、時間的な中心(出来事が最も盛んな時期)にも使う。多くは事態が激しく進行している渦中にあることを強調する文脈で用いられる。
N1 全う まっとう
責任や役目を最後まで果たし切ること。本来は「全(まった)く」と同源で、「完全に、欠けることなく」の意。「全うする」の形でサ変動詞として使い、「責務を全うする」「役目を全うする」「天寿を全うする」のように、義務・職務・寿命などを途中で投げ出さず最後まで完遂する文脈で用いる。書き言葉的で、改まった場面で使われる硬い語。形容詞「真っ当(まっとう)な」(まじめで正しい意)とは別語。

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